1980

夕刻、脱走。19時にSK谷でMさんと会う。いつもとは趣向を変え、KUという店に入ることに。何がいつもとは違うのかというと、それは二点あり、まず第一に、Mさんの提案によってその店が決められたということ。つまり、これまでは私の先導によって、入る店が決められていたのである。SK谷界隈に「行きつけの店」などない私は、いつも当て図法、行き当たりばったり、「酒がありゃ、どこだっていいじゃないの」、突撃だあ、と、男っぽいところを見せなくてはならぬ、威勢のいいところを見せなくてはならぬ、という、若い頃ならまだしも、この歳になっては無理のある行動をとっていたのである。何が言いたいのかというと、だから、Mさんの提案はうれしかった。とまあ、それだけなのだが。そして第二に、その店が、いわゆるところのアジアン料理というのか、エスニック料理というのか、よくわからないが、洒落た、居酒屋とも、バーとも云えぬような店だったことである。このような店に慣れていない、しかも小心者の私は、ちょっと緊張したのであるが、しかし、いざ入ってみると、思っていたよりも良い雰囲気で、「こういうのもいいねぇ」などと思いつつ、黄色っぽい照明の下で、生麦酒をゴクゴク飲んだ。そして、ちょっと変わった味付けの鶏肉料理や、ベトナム春巻などを食いながら、「こういうのもいいねぇ」と今度は、言葉にした。そうして、杯を重ねるうちに、どういうわけか、アニメ『ルパン三世』の音楽について甲論乙駁。Mさん、新旧のテレビ版から劇場版まで、ものすごく詳しい。でもやっぱり、行き着くところは、と彼女、「テーマ'78」や「愛のテーマ」の素晴らしさを力説。こちらも負けじと「テーマ'80」や「SUPER HERO」について語る。後、お決まりコース。http://www.youtube.com/watch?v=fs5VryWpQB4&feature=related