彼方

朝出発、きわめてユーウツ。誰とも会いたくないし、話したくもないので、職場到着後、駐輪場の裏に隠れて始業時間を待つ。始業を告げるベルが鳴ると、人目を避け、車まで疾走、飛び乗る。午前中、激務。午、移動。午後、苦役。16時、コンビニの駐車場にて、カップ焼きそば及びリンゴジュース。

友人で、変態フォトグラファーの井出マコト氏が数年前、「ペヤング45秒論」を力説していたことに思いを馳せる。これは、湯を捨てるまでの時間である、というのは云うまでもないが、氏は、ペヤング側の示す定理、すなわち「3分」を根本から覆す、思いも寄らぬ新機軸を打ち出してきたのである。こちらも驚いてばかりいられないので、氏にその証明(理由)を求めると、「いやぁ、ボンちゃん。そのほうが美味いんだよね」。その席上で氏はさらに、「ペヤング以外のカップ焼きそばなど論外、認められない」と仰っていたが、その点については私も共通の認識を得ることができたが、さて「45秒」となると・・・・・・。

数日後、井出マコト氏の教えどおり、キッチンタイマーを用い、キッカリ45秒を計測、湯を捨て、フタを開け苦笑。見た目、湯を注ぐ前の状態と殆ど変わりなし。食ってみた。麺、バリバリ。乾燥キャベツ、パリパリ。――その後、私なりの定理を導き出す。1分半、すなわち「90秒」がもっとも美味いと結論づける。

ふと見ると駐車場隅、頭髪を金色に染めた坊主頭の若者が、停めた原付バイクに座り、私と同様、カップ焼きそばを夢中で食っていた。






深更、ウオツカ、本稿。合間、タクミンに架電、少し話す。ブラジリアンCトリスの肥大、擬似鶏レバ体験、エログロ、塩、休日の過ごし方、彼方.wma 直