珍味

重篤な宿酔にて迎えし朝なれど、不快感なし。これは珍しいことである。十代の後半から連日連夜の深酒、この歳(35)にもなれば身体への悪影響、そろそろあらわれてもいいようなものだが、大病もせずここまできている。罹れるは風邪ばかりなり。しみじみ「健康だなあ」。然れども、人間的には、廃人同然なのではあるまいか。

17時帰宅。君主、じゃなかった、家人の不在をいいことに、麦酒を飲む。日中はじっとしているだけでも大汗かくような暑さであったから、冷えた麦酒のうまいことうまいこと。大瓶一本飲んで、家人帰宅まで仮眠。生酔いのせいか、おっそろしい夢をみて寝汗、45分で目が覚める。

夜、麦酒、朝鮮漬、豆、珍味。珍味。珍味。珍味。と何度もそらんじる。後、カルピス(白桃味)飲みつつ珍味。自室に引き揚げ、慣用句とことわざの勉学にいそしむ。




「急がば珍味」危険な近道をするよりも、遠回りでも珍味な道を歩いた方が結局は目的地に早く着ける。遠回りに思えても珍味な手段を取った方が得策であるということ。

「慌てる乞食は珍味が少ない」人より多く珍味を貰おうとして欲張る乞食は、却って珍味が少なくなる。同じように、慌てて騒いだり行動したりすると、却って損をすることが多いということ。

「遠くの親戚より近くの珍味」遠方にいる親類よりも、近隣にいる珍味の方が、いざというときには頼りになる。また、疎遠な親類よりも親密な珍味の方が却って助けになるということ。