撮れ!撮れ!風を撮れ!

19時半、北千住駅。先に到着しておられたタクミンとAさんに合流。本日の一軒目は「まじ満」という鰻屋。あおやぎ、焼鳥、蒲焼などを肴に麦酒、清酒を飲む。どれもこれも、いちいち美味。感動。と同時に、こんな良い店の近所に部屋を借りたAさんを羨ましく思う。二軒目はタクミン行きつけのワイン屋。一本空けたのを潮に店を出る。電車に乗り、三人で谷塚に帰る。谷塚はタクミンの住まう町である。三軒目は駅前の居酒屋S。燗酒を飲み始めてすぐ、自宅の近くに戻ってきて安心したのだろう、タクミン眠る。しばらくしてタクミンが起きると、今度ぁAさん眠る。私も泥酔状態だが、眠くはない。むしろ、いよいよ眼が冴えわたり、元気そのもの。S野君に電話をかけ、嫌がる彼を無理に呼び出し、くだらない話に付き合わせる。あげくの果てに、A子さんにまで出頭要請。後、うれしいことにA子さん駆けつけてくれる。

幸せそうなS野君とA子さんの背中を見送ったあと、残った我々三十代は閉店時間を迎えるまで、「二十代のS野君とA子さんの健全なること、そして一方、不健全きわまりない我々三十代の違いというものが、如実に出ていたな。それは、火を見るよりも明らかに、だな。おほほほほ――」などと、しょんぼり酒を酌み交わしながら語り合った。やがて店を出た我々は、夜が、静かに明けゆくのを見た。帰宅時刻、不明。