デペイズマン

13時起、といっても、目を覚ましたというだけなのであって、布団から出る気はない。枕元の携帯電話に手を伸ばし、恐る恐る開いてみると、案の定、職場の上司、その他いろんな人から電話や電報を戴いている。私はそれを見なかったことにして静かに携帯電話を閉じ、再眠。起きられるわけないだろ。

16時起、意外にも宿酔レベルは低く、2程度。だが、もの凄く喉が渇いており、水、茶、コーラなどを立て続けに飲みまくる。人心地ついたところで、さて、と職場に電話。何を言われるか恐ろしかったが、まあいい、たまには正直に話してみようと思い、「きのう飲み過ぎちゃって、さっきまで寝てました」と報告すると、この私の正直さ、素直さ、誠実さ、真面目さが功を奏したのか、何のおとがめも、叱責を受けることもなく、それどころか、「大丈夫か?」なんて宿酔の心配までして戴いたのである。電話を切ったあと、「ああ、私はまた嘘をついてしまった」と少し反省した。ふふっ。

夜、麦酒、親子丼。後、昨夜のことを書こうとパソコンの前に座ったが、記憶の一部が欠落していることに気づく。これまで、そんなことは一切なかったのだが。歳かな。深更、ウイスキー飲み始めたら、どういうわけか、欠落していた記憶すこしずつ蘇る。恥ずかしい。恥ずかしいので、猫の鳴き真似をしながら、部屋の中をぐるぐる歩きまわる。