みだりごこち

19時帰宅。玄関ドアの前に立ち、見ると、アルファベットのプレート貼り付けただけの表札、「I」の部分が剥がれ落ち、「SA TO」になっている、すなわち「佐藤」、よろしい。わたくし本日より、佐藤ぼん。やだなぁ。苦笑。

覚悟を決めてドアを押す。地獄でもあるまいによ。中に入ると真っ暗。それは当たり前。まず電気をつける。紐が解けそうになっている汚い靴を脱いで部屋に上がる。そして階段の電気をつけようとスイッチを押す。つかない。

「階段の電球がよく切れる」ということを以前にも書いた。それからの私は、「階段の電球ばかり、どうしてこんな頻繁に切れるのか」ということに拘泥、憂慮し、その解決策を模索、熟考に熟考を重ねる日々を送ってきたのである。そしてようやく、昨日の買い物の際、思いもよらぬ解決を見たのである。というのは、まあ、あまり大きな声では言いたくないが、私は驚くべき電球を発見したのである!

箱を見ると「従来の電球の12倍の長寿命、電気代も約5分の1」と記されており、頼もしいことこの上ない。電球界の進歩、えらいことになってるな。そして、さらに私を驚かせたのは、その商品名「ネオボールZ・リアルPRIDE(プライド)」。相当な強者であることは間違いなさそう、そしてその自信を、その名前だけで窺い知ることができる。想像をたくましゅうすると、実はこの電球の「必殺技」なのかもしれない。などと興奮を抑えられない私は、そいつを手に取りレジまで走った。いや、歩いた――。

つかない。へへっ、お前さん何が「プライド」だこの電球奴、よう、なんとか云ったらどうだい。ええ?どうなんだい!ったくもーほんとうにー。始末に負えないねぇどうも。と、電球の下で正座し、インチキ落語を演じていると、電球奴、ぼやー、っと明るくなってきたのである。なにこれ。普通、スイッチ押したらパチッと点灯するだろう。そうか、これが長寿の秘訣か。まあ、私は、そこまでして長生きしたくはないが。でもあれだ、いいんじゃない?

夜、麦酒、海苔デラックス弁当、味噌汁。後、珈琲、苺ショート。

深更、ウオツカ、ウイスキー、ブログ、原稿。浮浪願望・尿意の点滅・生きてるって言ってみた。

http://www.youtube.com/watch?v=4rDbUxeJKCY&feature=related