旅人

14時起、ひどい宿酔である。アセトアルデヒドである。神はこの世を六日間で創り給うた。そして第七日目には、二日酔いを与え給うた。(ロバート・キャパ

台所にて烏龍茶G飲、喫煙。しばし呆然。善良な夫は、けっして夜早く寝ないし、朝は遅く目覚める。(バルザック

腹が減ってきたので、うどんを拵えて食う。冷凍庫にあった「牡蠣入り味噌煮込みうどん」である。宿酔の身にはかなり重い一品であり、季節はずれも甚だしいが、これしか食うものがないので仕方ねえ。食器棚の奥にしまいこんであった、一人用の土鍋を引っぱり出して調理する。しかしこれが思いのほか美味で、さらに大汗かきながら食ったせいか、宿酔が治ってしまった。結果オーライである。後、書見、いつのまにか眠。

夜、麦酒のみつつ、胡瓜とワカメとシラス干しの酢の物を食う。後、鮭と米飯。その席上、テレビで、中田、本田両氏の対談を見る。蹴球のことはよく分からぬが、この本田とかいう男、たいへん好感のもてる青年であった。一方、しばらくぶりに見た中田氏は、ただのオッサンになっていた。引退後「旅人」になったと聞いていたので、対談の冒頭で本田が「いつ(日本に)帰ってきたんですか?」と中田氏に訊いていたのには笑ってしまった。どうも中田氏が「現代の寅さん」のように思えてならなかったからである。

深更、ウイスキー飲みつつ書きもの、思索。桃屋の「ごはんですよ」を食べ切ったためしがない。いちばん少量のを買っても、である。不味いわけではないのだが。そういえば、イカの塩辛もそれに似たり。