反復

まんじりともせず迎朝。といっても、布団のなかで寝つかれずに悶々としていたわけではなく、なんのことはない、例によって安価な焼酎を呷りつつ何の価値もない文章を書いたり、辛き目に遭わされた昔の女のことを思い出して、その女たちの言動にいまさら怨恨の情を抱いたりなぞしているうちに、ふと気がつくと朝の6時である。――これはいけない――。そんなふうに思うことができればよいのだが、あいにく私は酔っぱらっていた。しかもかなりの量を飲んでいたため泥酔に近かった。したがって、ここで眠ってしまえば、もはや通常の時刻に起床することなど望めないだろうし、よしんば起き上がることができたとしても、中途半端な睡眠、すなわち仮眠をとったせいでかえってグニャグニャのヘロヘロ、きっとまともに歩くことも覚束ない状態なのであろうから、いわんや仕事なんかできっこないのは明白なのであって、ちゃちゃっと勤め先に電話をかけ欠勤を申し出ること必至であると思われた。ゆえに私は一睡もせぬこととし、きっちりと時間どおりに仕事へゆくことにしたのである。そして杯を重ねつつ、実に立派な、実に殊勝な心がけだとその時には思っていたようではあるが、今こうして思いかえしてみると、朝、家を出る時刻(8時10分)ギリギリまで酒を飲んでいたというのはこれ、一体どういう精神状態であったのだろうか。その辺のことが、よく思い出せないのである。


18時帰宅。なかなかの疲労感に苦笑する余力も残っていない。若い時分は二、三日眠らなくたってどうということはなかったが、現在35歳、そうはいかない。一先ず仮眠。20時に起きて台所にゆき、麦酒飲みつつ何を食おうかと思案。だが、いくら考えたってわが家の冷蔵庫にあるもののなかで、腹の足しになるようなものは鶏肉ぐらいのもんなんだから、それを食うしかないだろう。との結論に至り「鶏むね肉の梅肉ソース」に再挑戦。今回は良い出来であった。が、調理に集中するあまり炊飯を忘れる。仕方ないので冷凍保存してあった米飯をあたためて食ったが、今日は炊きたての飯を食いたかったなあ。後、風邪気味のせいか酒すすまず。就寝2345。――3時に目が覚める。寝汗多量。『今日の罪』という、えらく不気味でグロテスクなテレビ番組を夢のなかで見ていた。それはそれは酷い番組であった。後、あたらしい寝巻に着替えて飲みなおす。現在10時。ダメダコリャ。