すくすく子育て

20時にY作氏来訪。予定では19時に川口駅へ迎えにゆくつもりだったのだが、どういうわけか自動車のエンジンかからず、拙宅まで御足労願ったという次第なのである。氏の話によると自動車というものは、しばらくエンジンもかけずに放っておくとそのような事態になってしまうのだとか。たしかに二週間くらい放っておいたけれども、そんなもんかねぇ。というより、運転手という職業を何年もやってきてそんなことも知らなかった自分に驚き、桃の木、山椒の木。


寄せ鍋をつつきながら麦酒と白葡萄酒。話題はやはり今月末(うまくゆけば12月1日)に生まれるわが子らのことや、氏の育児体験談などであったが、考えてみると、数年前まで居酒屋の片隅で安酒を呷ってぞめきつつ女の話しかしなかった私たちが、拙宅の台所で鍋を挟んで差し向かい「子供は可愛い」「可愛いだろうなあ」などと互いに目尻を下げながら酌を交わしているというのは、なんとも不思議なことであり、また遺憾でもある。とはいえこの上なく平和な、楽しい時間を過ごした。しかしその図は、さながら照英とつるの剛士の“子育て対談”じみた、なかなか気色悪いものであったといわざるを得ない。――そうして、東本郷の夜は更けていったのであったのであったのだっ。