鯛焼


正午過ぎに起きて台所にゆき、八ヶ岳コーヒーをG飲。いわゆる「コーヒー牛乳」、各メーカーからいろいろ出てるけど、私はこの「八ヶ岳コーヒー」が一等だと思っている。いつもは紙パックのものを飲んでいるが、瓶で飲んだら尚更うまいだろうなあ。後、書見。先日届いた「新潮・12月号」。――17日の芥川賞発表の晩、西村賢太氏が受賞したことを知って狂喜、うれしさのあまり昂奮、覚醒し、ひとり朝まで「祝杯」と称し酒を飲みつづけ、べろんべろん且ぐでんぐでんの酔態で出勤したのであった。が、受賞作を読んでいないことに、はたと思い当たり、急いでアマゾンに注文した一冊である――。








夜、〇エツにゆき買物。晩飯の材料や酒類、差当り必要ないものまで大量に買込む。悪い癖だが、きのう給金をもらったので良しとする。店を出たところに移動販売の鯛焼屋があり、売り子がきわめて私ごのみの女性であったことから、つい10個もの鯛焼を買ってしまう。晩飯後、その鯛焼を食ひつつ想ふ。あんなやり方では彼女の気を引くことなぞできない、と。つまり、かような恋愛初期の段階においては、たとえば、ひとつの鯛焼を毎日同じ時刻に買いにゆくと云ったような、地道な接近の仕方こそ彼女の印象に残る筈だし、そうして六日目あたりから忽然と消息を絶ち、「あれ?あの人、このごろ来ないなぁ、どうしたのかなぁ・・・」なんてなことを思わしといて、十日後ないしは二週間後くらいに、ホームレスじみたボロボロの服装で突然あらわれ、「鯛焼ひとつ。」とやれば、彼女の記憶に深く刻まれること間違いなしであろう。「鯛焼10個」のインパクトはなかなかのものだが、そういったやり方は、案外女性には通用しないものなのである。