地獄に仏

朝からゲーリー。嘔吐がないだけでもまだよい。食中毒とかそういう類のものではなさそうである。「水あたり」というやつか。いくらか良くなってきているのか、痛みの間隔が二時間おきぐらいになっている。11時、都内某所。そこでもやはり荷おろし中に腹痛、そのビルの地下にあるトイレに駆け込む。すると、私の入った個室に、紙入れらしき物があるのを見つけ、腹痛に苦しみつつも中身を確認すると、五万円くらい入っていたのである。地獄に仏とはこういうことか。私は、さらにその紙入れの中を確認していて、あるものを発見する。そして戦慄・驚愕したのである。何を見つけたのかは、とてもここでは書けない。

18時退社。家までの帰途、ドラッグストアに寄り薬を物色。白衣なんか身に着けやがった店員に症状を訊かれ、あれこれ話し、30分くらい協議した結果、最終的に「正露丸」を薦められる。こんだけ長い時間話し合って「正露丸」。なんだかものすごくムナシー気持ちになる。そして頭の中で、ラッパの音が鳴っていた。

夜、鯛、鮪、赤貝、アジの刺身を肴に日本酒。こんなに腹の具合が悪いときに赤貝はヤバイんじゃないかとも思ったが、食っちまう。食後、正露丸。家人曰く「クセーよ」。たしかに独特な匂いであるが、懐かしい匂いでもあった。早々に自室へゆき、横になって書見。ドグラ・マグラ。腹痛の原因はこれじゃないのか。就寝23時半。