暴露町のオナニスト2

しかしさうして、店内に一歩足を踏み入れてみますれば、これ、どういうわけか気分が高揚するものである。楽しいなあ。などと思いつつも、ふと、身の引き締まる思い。ここで気を付けなければならないのは、私の悪癖である。それがどういうものかというと、まあ早い話、衝動買いのことなのだが、一口に「衝動買い」といっても、いくつかのタイプに分類できよう。例えば、普段はわりと質素な生活を送っているような人が、急に思い立って旅に出たり、でかい買物(それまで特に欲しいとも思ってなかったような物)をするという、謂わば「一点豪華主義」のようなタイプがあれば、「一目惚れタイプ」というのもある。これは文字通り、ふと見かけた商品に心を奪われ、矢も盾もなくそれを購入してしまうという「衝動買い」の典型的なタイプ。この二者、見方によっては同じもののように思えなくもないが、実はまったく違う性質のものなのである。その解説はまたの機会にするとして、では私の場合はどうかというと、そう値段の高くない物品をあれやこれや、それらの必要の有無にかかわらず、一種盲目的に大量購入してしまうという、なんともセコい、まるで子供が駄菓子屋で買物するような、他愛ないものである。