暴露町のオナニスト3

その悪癖がもっとも顕著に現われるのは、外で飲酒したのち酩酊状態で帰るその道中でのことである。深夜、上機嫌でコンビニやスーパー(近頃は深夜営業しているスーパーも少なくない)に入ると、とたんに私は“宵越しの銭は持たねえ系”の人に成ってしまい「明日の後悔に払ってやるてんだ。前払いだぜ」という、何やら自分でもわけの分からぬ理屈でもって、ただ闇雲に次々と商品を買物カゴへ放り込み、果たして散財、すかんぴん。それでも、やがて特大サイズの白いレジ袋を二つ三つぶら下げ、にんまり顔で店を出てくるなんてことは、そう珍しいことではないらしい。なぜ伝聞形かというと、かくある状態の時の行動を私自身ほとんど憶えておらず、翌朝や後日になって、同行していた人からその顛末を聞かされるということが何度かあったからである。