風紀指導

連日の会議。会議とは云っても、拙宅の台所兼居間で家人と差し向かい、家人はコーラ、私は「秋味」とか云う麦酒を飲みながらの、極めてリラックスしたもの。肴は麻婆豆腐。うれしいことに、本日は家人が晩飯の仕度をすると申すものだから、私は事前に、麻婆豆腐だけではちと寂しいと思ったのと、「おれが作るんじゃないんだから」との気楽さから、調子に乗って“エビチリ”までも所望し、たいへん素早く却下されたものだが、まあそれも当然のことであり、文句は云えぬであろう。バーミヤンじゃないんだから。


さて、この一見したところただの晩酌に見えなくもない会議、いったい何を話し合っているのかと云うと、17日に家人が出産のため広島に赴き、そこでしばらく滞在することになるのだが、その、およそ四箇月余にも亘る期間の、私の生活についてである。それは、家人にしてみればどう考えてもこの私が一人で生活なんかできっこないとの懸念(例えば食事、過酒、変態行為などの軽いものから、金銭面、すなわち経済観念のなさ、果ては平生の素行の悪さや、今では過去のものになりつつある私の放蕩ぶりについてまで)を余すところなく述べ立てるといった、会議と云うより、さながら“風紀指導”じみたものであった。