女中

朝出発。残酒、残暑。日中のしつこい暑さには呆れるばかりである。しかし、この異常気象にただ呆れてばかりいても何の得にもならないと気づいた私は、胸の少し下あたりで左右の手を軽く握り、踵を微妙に上下させ、背伸びするような姿勢でゆったりと肩を揺らしながら『エーデルワイス』を歌ったのである。――それは私が幼少期「ナイロビ児童合唱団」に所属していた頃からの習性で、ドクターに言わせるとこれは“自己防衛反応”による行為の一種なのだとか。そして“嘘をつく”ことも同じだという。


18時半に職場を出る。急に風が強まり寒いくらいだ。自転車こいでドラッグストアにゆき買物。近頃は生鮮食料品以外のものなら、ここで大体のものが買えるのだから便利である。だが、私の欲しいドラッグは置いてないようだな。“ドラッグストア”のくせにっ!


帰宅後、家事にいそしむ。することが多くて苦笑。そのなかでの発見は、衣類を洗濯して干すのはそんなにイヤなことではないのだが、そのくせ洗濯物を取り込んだのち、それらを「たたむ」という作業は、ただ「面倒くさい」というのとも違う、なんだか妙な嫌悪感をともなうものであったということである。その作業中に、早くも「そろそろ女中でも雇おうかしらん」なぞ思ったくらいなのだから、よほど私はこの作業に向いていないのであろう。後、ビアリング晩飯チョーリー。


本日、埼玉県南部では最高気温35度。これは特記しておくべきであろう。というのも予報によると、明日からはぐんと気温が下がって秋らしくなり「今年の暑さも本日限り」というような、まるで“購買心理”をうまく衝いてくる通販広告や、スーパーの折込チラシじみた文句につい反応してしまったという訳である。それに明日は、本日よりなんと10度近くも気温が下がるというのだから、ここに書かずにはおれないのである。