往復2

そんな私も、30日に広島へ飛ぶことになった。その決定は、先日行われた家人との電話会談のなかで下されたものである。現在、家人は妊娠34週を迎え、単児であれば出産まであと一月といったところだろうが、双子ともなると当然事情は異なるのであり、早い話、今日明日に破水しても(生まれても)不思議ではないという状況なのだとか。よって医師は、24ないしは25日の手術を念頭に置いているようである――それも非常に稀なことらしい――。しかし家人は36週二日にあたる12月1日の出産(手術)を強く望んでおり、というかもう決めていて、医師を苦笑せしめ、私には、すぐにでも航空券の手配をしろと云う。つまり家人曰く、「いまチケット(航空券)予約すればかなり安く済むから、もうとっちゃっていいよ。30日ね。まあ、その前に生まれちゃってもそれは仕方ないし、どっちみち生まれるときに来たって、手術だから立会うとかそんなのできないんだし」というわけである。