ピーコとおすぎ

木曜日。


19時頃に実家へ出向き、28日の広島行きに関する報告及び飲酒。年老いた父は私の子らと家人がこちらに戻ってくるのを何よりの楽しみにしているようで、彼らの写真を差し出すとそれを、老眼鏡をかけ、そのうえ更に天眼鏡(虫めがね)を用いて食い入るように見つめながら、「こりゃあ、よく頑張った。おお、おぉ。こりゃあ頑張った――」などと、少しく涙ぐんでいる有様なのである。すでに父には三人の孫(私の姉の子ら)がいるけれども、やはり「内孫」というものに対してはまた格別な想いがあるのだろうか。おのこ二人というのもまた“旧い人間”である父をよろこばせ、感涙せしむるに至った根拠のひとつであると云えなくもない。


金曜日、めでたくオト退院。これにて皆が娑婆に出たということになる。だがまあ、遠く離れたところにいる私なぞは「感慨無量」の一言でもって誤魔化すこともできるのであって、つまり実感に乏しい。実際の家人は定めしえらいことであろうとは想像できるのだが。