二人の愛人

正午過ぎに起床。宿酔レベル4。


居間にゆき、眠っている子らの寝顔を覗き込んでいると、待ってましたと云わんばかりに家人、「洗濯もん干してくるから、ちょっと見てて。起きちゃったらよろしくー」などと仰るのだからギョッとする。残りに残っていた酔い(酒気)も一気に醒めるというものである。と云うのは、これまでは子らのそばに家人がいなくとも、誰かしら(家人の母や祖母などが)おり、子らが同時に泣けば、ひとりを私が、もうひとりを誰かが、といったお世話をさせていただくのが私どもの方針ですが、なんということだろう。その時はみな出払っていたものだから、私が初めて、誰かの手助けを借りることもなく、ふたりの子の世話をすることになったのである。その間(と云っても15分程のことではあるが)私はこころの中で、「起きないでくれよ、泣くなよ、起きないでくれよ、頼むよう――」などと唱えつづけていた。そして、子らが目を覚まして泣きじゃくり、ひどく狼狽する自分の姿を想像したりもした。


夕刻仮眠。起き抜けに麦酒2本で元気恢復。肴はズワイ蟹、牡蠣、握り鮨と、私の好物ばかり卓に並ぶ。明晩には広島を発つ私への心遣いであろう。ろくな土産も買って来ず、六日間、何もせずに飲んでばかりいたので恐縮至極。が、恐縮しつつもばくばく食い、かつ飲む。後、深更に至るまで子らの観察。