肉慾


夕刻、三軒のスーパーを巡る。一軒目で目当ての品「豚の肩ロース・ブロック肉」が売られていなかった為、二軒目にゆくとそこにもなく、そして最後の三軒目にもないと云う、おそらく今夜から二晩は眠れないだろう程の落胆であった。ところで、なぜ私がそこまで肩ロースを欲していたのかと云うと、それは早い話、チャーシュー(煮豚)を晩酌の際の肴として食いたかったからに他ならない。――と云ってしまうとこれで話が終ってしまうので、もう少し詳しく云わせてもらうと、


これまで私は、豚バラ肉で「角煮」をよく拵えては、酒肴や飯のおかずにしてきたものであったが、此頃は年のせいか、あの脂身に些かの抵抗を感じ、自作することも食うこともめっきり少なくなっていた。いや、皆無と云ってもよいだろう。そんな折(昨夜のこと)、youtubeで或る動画をみつけ、どうしても今夜、バラ肉に比して割と脂身の少ない肩ロース肉で、それを「実践」してみたくなったと云うわけである。http://www.youtube.com/watch?v=HRFqkmjZ9aI


結局は豚モモ肉で拵えることになったが、とてもうまかった。古き良き昭和のラーメン(中華そば)のチャーシュー、と云ったところか。







哀しき父


17時、終業を告げるチャイムが鳴ると同時に退社。しばらくぶりのことである。外に出るとまだ明るい。依然として寒さは厳しいが、いくぶん陽は長くなってきているようだ。冬来たりなば春遠からじ。


帰宅後、鳩G谷の実家にゆく、積だったのだが眠ってしまう。夜、一晩寝かせた鍋を食う。すなわち、昨夜の「水炊き」の残りである。その内容に若干の物足りなさを感じた故、あれやこれや具材を加えていたら、結果、なかなか豪華なものになった。まあそれは良かったのだけれども、またぞろ半分ほど残してしまう。つまり、明日も鍋ということだ。後、焼酎飲みつつ書見。葛西善蔵











早寝


18時に帰宅し、入浴後、Sミットへ買物にゆく。本日の買物は出費を「二千円以内に抑える」積で臨んだのだけれども、会計してもらうと驚きの結果が。まさかの5800円也。どうしていつもそうなってしまうのか――。再帰宅して鶏の水炊きを調理。麦酒飲みつつ食う。骨付きブツ切り肉は矢張うまい。後、いちご半パックで風邪予防。奮発して1パック600円のいちごを買ったので、甘くてとてもうまい。水菓子全般に云えることだが、いちごは特に、安物を買ってはならない。


夜、自室にて焼酎飲みつつ雑事。疲れているのか酔いのまわり早く、めずらしく早寝。1時。(※画像はイメージです)









タイムセール


このところ朝の目ざめがよろしい。酒量の多さや睡眠時間の少なさは相変わらず、とても社会人のそれとは思えぬ度を越したもので、と云うより、運転手を生業とする私にはあるまじき生活態度なのだが、どういうわけか起床時のあの苦悶煩悶が、此の頃とみに軽減された感じあり。加齢によるものであろう。いや現在三十五。ちと早いような気もする。


18時退社。帰途、S鮮市場で買物。晩飯のおかずは生姜焼にする案固め、豚肉を買うため至極猥雑な人たちの隙間抜け、精肉売り場へ。この店、水曜が定休日ゆえ、前日の夕刻から閉店時刻あたり迄、たいへんな賑わい様なのである。つまり、店側としては生鮮品をなるたけ売り捌きたいのであろう、その時間帯、値引き値引きの所謂「タイムセール」たけなわ、それを目当てに、貧民どもが押し寄せるからである。


帰宅後入浴、調理。生姜焼は私なぞの素人でもわりかし容易に出来、まず失敗することがないのでありがたい。食後、深更に至るまで自室にて子らの画像ながめつつ飲酒。侘しい生活である。





股は夜ひらく


昨晩も眠る気にならず酒を飲みつづけ、結句、床に就いたのは6時過ぎであった。が、殊の外さしたる辛さもなく7時半に起きることができたのは、やはり連休中にたっぷり睡眠をとった故のことであろうか。なぞ云う、可成どうだっていい話を書くことに無上の悦びを感じているブロガー、それは私。


14時、T沢の中華料理屋でネギラーメンを食う。まずい・ぬるい・高い、の三拍子。「NGラーメン」と改名すべし。私はその店ではいつも、麺ではなくチャーハンや野菜炒めといった類のものを食うことに決めているのだが、本日は魔が差し、麺を註文。案の定、選択ミスを犯したと云うわけである。寝不足で変に気が昂ぶっているようなときには、そう云うことがよくあるものだ。


夜、麦酒飲みつつ鶏肉を食う。後、米飯と梅干と味噌汁。自炊生活四箇月余、進歩なし。






あなた


16時に目が覚める。ひどい宿酔。あたりはうす暗く、寝惚けていることもあり、朝の4時と誤認。――では、いったい今日は何曜日かえ?月曜日?日曜日?ここはどこ?――などと布団のなかでしばらく自問していたが、だんだん意識がはっきりしてくると「日曜日の午後4時」と云うことが判る。同時に、なんと云う怠惰な生活をしているのかとも思う。呆れたわ。


夜、昨夜の鍋の残り出汁を再利用、味ひとすじ、永谷園の煮込みラーメン(みそ味)を拵えて食う。後、いちご1パックで風邪予防。深更、自室にてウヰスキー。子らの護送に関する策を練りつつ、新居の間取り図を見て、家具類の仮想レイアウトなぞをすると云う、女みたような性質を私は持っているのである。知ってはいたが、苦笑を禁じ得ない。http://www.youtube.com/watch?v=VBaXfgahFIs




鯛焼


正午過ぎに起きて台所にゆき、八ヶ岳コーヒーをG飲。いわゆる「コーヒー牛乳」、各メーカーからいろいろ出てるけど、私はこの「八ヶ岳コーヒー」が一等だと思っている。いつもは紙パックのものを飲んでいるが、瓶で飲んだら尚更うまいだろうなあ。後、書見。先日届いた「新潮・12月号」。――17日の芥川賞発表の晩、西村賢太氏が受賞したことを知って狂喜、うれしさのあまり昂奮、覚醒し、ひとり朝まで「祝杯」と称し酒を飲みつづけ、べろんべろん且ぐでんぐでんの酔態で出勤したのであった。が、受賞作を読んでいないことに、はたと思い当たり、急いでアマゾンに注文した一冊である――。








夜、〇エツにゆき買物。晩飯の材料や酒類、差当り必要ないものまで大量に買込む。悪い癖だが、きのう給金をもらったので良しとする。店を出たところに移動販売の鯛焼屋があり、売り子がきわめて私ごのみの女性であったことから、つい10個もの鯛焼を買ってしまう。晩飯後、その鯛焼を食ひつつ想ふ。あんなやり方では彼女の気を引くことなぞできない、と。つまり、かような恋愛初期の段階においては、たとえば、ひとつの鯛焼を毎日同じ時刻に買いにゆくと云ったような、地道な接近の仕方こそ彼女の印象に残る筈だし、そうして六日目あたりから忽然と消息を絶ち、「あれ?あの人、このごろ来ないなぁ、どうしたのかなぁ・・・」なんてなことを思わしといて、十日後ないしは二週間後くらいに、ホームレスじみたボロボロの服装で突然あらわれ、「鯛焼ひとつ。」とやれば、彼女の記憶に深く刻まれること間違いなしであろう。「鯛焼10個」のインパクトはなかなかのものだが、そういったやり方は、案外女性には通用しないものなのである。